通気口(換気口、吸気口)の役割とは?

◆通気口は「24時間換気システム」の一部。

24時間換気システムとは?
「24時間換気システム」とは、文字通り、24時間常に換気が行われるよう計算され設置された換気機能のことです。2003年の建築基準法の改正により、住宅への導入が義務付けられました。

この法律が制定された理由は、「近年のアパートやマンションは気密性が高く、自然換気ができない」ということにありました。そのため、一軒家などで基準を満たした家の場合には、24時間換気設備がない場合もあります。

また、建築から5年が経過した建物の場合には、建材に使用されている恐れのあるホルムアルデヒドやその他の揮発性有機化合物の影響も少ないため、設置義務がある建物の対象外となります。あくまでも「新築から5年ほどは、建材に使われた化学物質が健康に被害を与える場合もあるため換気が必要」ということです。

◆24時間換気システムのしくみ
24時間換気システムでは、空気は下記のように流れています。

①壁にある通気口(換気口、吸気口)から、外の新鮮な空気が入り込む

通気口

②浴室の天井にある「ファン」が回ることで、バスルーム、トイレ、洗面所などの天井にある「吸入口」から、家の中の空気が浴室天井部分に集められる

通気口

③浴室の天井のファン(浴室暖房乾燥機のファンであることが多い)が回る勢いで、家中から集められた空気が外に出る


このシステムにより、マンションやアパートの窓を閉め切った状態であっても、室内の空気は生活していて問題のないレベルに換気することが可能になります。各部屋のドアの下に隙間があることがありますが、これは吸入口がない部屋の空気もきちんと入れ替えることができるようにするためです。
つまり、壁についている通気口は「外の空気を室内に入れる」という、非常に重要な役割を果たしていることになります。この通気口のすべてをぴったりと塞いでしまうと、換気が不十分になる危険性があります。十分な換気ができるよう普段から整備しておくことが重要です。

正しいお掃除で綺麗な空気に

通気口

通気口(換気口、吸気口)を掃除することで、外の空気をよりスムーズに取り入れることができます。ここが汚れていると空気も汚れてしまう可能性があるので、ぜひ定期的に掃除するようにしてください。

①通気口の外側の掃除方法
カバーとフィルターを外し、ほうきで砂や土を落として水洗いましょう。古い歯ブラシなどが活躍します。取り外す際はネジを回さなければならないタイプのものもあります。洗った後は水気を取って乾燥させてから、再度取り付けるようにしましょう。

カバーを外した通気口は、濡れ雑巾などで拭き掃除をしてください。水をかけてしまうと室内に水が流れ込んでしまう可能性があります。

ある程度土や砂が落ちたら、元通りに戻しましょう。「なかなかピカピカにならない」と思われるかもしれませんが、外にあるものですので限界があります。少なくとも砂や土、埃がついていなければ空気は汚れませんので、とくに問題ありません。

②通気口の室内側の掃除方法
室内の通気口にはプラスチック製のカバーがついています。フィルターがある場合もありますので、カバーとフィルターの両方を水洗いしましょう。室内のフィルターは水洗い不可のものもありますので、その場合には掃除機で埃を吸い取るようにしてください。あまりにも汚れが落ちない場合には、新しいフィルターと取り換えてしまいましょう。なお、通気口にフィルターがないタイプのものもあります。大きさが合うものを自分で取り付けると、今後の掃除も楽になるのでおすすめです。

カバーを外した通気口は、濡れ雑巾などでしっかりと砂や土、埃を拭き取りましょう。もし汚れがなかなか落ちない場合には、中性洗剤を使います。バケツの水に中性洗剤を溶かし、その水に雑巾を濡らして軽く絞ったものを使うか、あるいは二度拭きが不要な床用霧吹きタイプの洗剤の活用もおすすめです。

③通気口周辺
通気口の周辺が黒く汚れてしまっている場合があります。これは通気口を通ってきた砂や土、埃などがこびりついてしまったためです。こまめにフィルターを取り換えていればフィルターがキャッチしてくれるのですが、汚れがいっぱいのフィルターでは壁まで汚れてしまいます。今後はフィルター交換を忘れないようにしましょう。

壁のお手入れですが、水拭きをすると汚れがさらに広がってしまうので、まずは乾いた布やブラシでしっかりとこびりついたものを落とします。水が触れても問題ない材質であれば、雑巾やスポンジに中性洗剤を染み込ませたもので優しく拭きましょう。水が染み込んでしまいそうな材質の場合は、消しゴムでこする方法が有効です。いずれにせよ、壁紙はあまり強いものではありませんので慎重に掃除するようにしましょう。