離婚による不動産売却時のトラブル

投稿者:ad119rqcur.

離婚による不動産売却時のトラブル

離婚の場合、財産分与と売却の局面で、約束ごとが足りずにトラブルに発展するケースが多くあります。

分ける認識があいまいだった場合

ケース1. 頭金も全額自分、ローンも自分の収入から払ってきているのに、元妻から『家は自分と子供が住みたい』と言われた

財産分与とは、婚姻中に夫婦二人の協力によって築いた財産のことで、この財産は原則として2等分することとなっています。

これは、配偶者が専業主婦の場合でも変わりません。財産分与のなかで住宅ローンの残りがあったとして、その負債も2等分です。

しかし現実問題として、まだ手のかかる子どもの親権を持ち、すぐに働きに出られないシングルマザーが、住宅ローンの残債を負担することができるでしょうか?

財産分与には下記のようないくつかの種類(性格)があります。
・清算的財産分与(結婚生活で夫婦が協力し、築かれた財産の精算)
・扶養的財産分与(元配偶者の当面の生活を維持するための財産分与)
・慰謝料的財産分与(精神的苦痛を与えた場合に支払われる慰謝料)

このほか、離婚までの生活費の未払い分の精算も勘案されます。

扶養的財産分与は、養育費とは別のものとして扱います。

たとえば、いままでの自宅を扶養的財産分与の一環として提供するか、売却して金銭で提供することもあります。

このように、財産分与の性質や金額についての、配偶者との認識のずれが、トラブルにつながります。

分け方への合意が不十分

ケース2. 家は自分のものになるはずが、離婚成立後に、『やはりやめた』と言われた

財産分与は夫婦が話し合いのうえ合意すれば、口約束でも有効に成立し、書面を作らなくとも法律上無効とはなりません。

ただしそれは、相手方が予定の約束を守ってくれた場合の話です。

財産分与を口約束だけで済ませた場合、相手方が守らない約束内容を強制する手段がありません。

具体的には、以下の問題が生じます。
・強制執行ができない
・名義変更をしていない、できない
・贈与税がかかることがある

自宅などの財産を渡さないとなった場合、口約束しただけでは強制的に引き渡しや名義変更を求めることができません。また、約束が守られたとしても、以下のようなリスクがあります。

名義が元配偶者のままの場合、第三者に売却したり、借金を滞納するなどして差押えを受けると、財産分与で取得した所有権を主張できなくなります。
それから、口約束だけで書面がない場合、税務上で離婚に伴う財産分与と認められず、贈与税を課せられてしまうことがあります。

所有や支払いをめぐってのトラブル

ケース3. 自宅は渡したが、数年後に元配偶者がローンを滞納し、連帯保証人として一括返済を求められた

元夫婦間の合意に関してはもう1点、自宅を誰の名義とし、誰がローンを支払っていくかということが、トラブルの原因となってきます。

離婚をしても、どちらかが住み続ける場合には、トラブル防止のためにおこなうことがあります。

住む人、自宅の登記上の名義、ローンの名義、ローンの支払者をすべて統一し、元配偶者は連帯保証人から外れる必要があります。

このためには、ローンの借り換えや一括返済、連帯保証人の変更などがおこなえるか、金融機関に相談をします。

自宅を売却した場合は、名義と支払いの問題は解決し、あとでトラブルとなる要素はなくなります。

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