前略 稲森和夫さんのご冥福をお祈りします。
稲盛さんの著書の中に、「富国有徳」を国是にせよという一節があります。
徳をもって他国と接し、相手に譲る気持ちを持てば、尊敬される国になり、結果として富国につながるというような意味です。
この言葉の理屈を、さらに身もふたもなく言うと、「相手の立場を無視して自分のことばかり主張して、交渉ごとがまともに進むはずがない」となりましょうか。
自分の立場だけ主張するならまだいい。
自分の主張が「正しい」からこっちの言うとおりにしろ、という言い方もある。
正しいって、いったい何でしょうか。
基準は何?自分?
相手方には相手の人生や事情や文化の中で、まったく違う「正しい」が存在してるかも。
徹底した合理主義者でせっかちだった田中角栄さんは、国交の際は徹底して交渉相手のことをおもんばかったと言います。
それが解決のための一番の早道だと、若いころからの苦労で身に染みていたのかもしれません。
私たちからは、まだまだおよばない境地ですね。
反面、相手の立場や自分の落ち度を振り返れない人は、かんたんに騙せると言います。
わかりやすく自分の軸を見つけて、すがりつくようなところがあるのかもしれませんね。
自分も気をつけなばなりません。