パリ五輪で、金メダルに向かう勝負に敗れた阿部詩さんの号泣。
何と美しいという思いで見ました。今どき、あれほど何かにこだわって悔しがる人の姿、目にしない。カッコよくないけど、美しい。カッコいい。
今自分に欠けてきているものは、「コンチクショー」かもしれないなと。
ただし、何度も見るものではないでしょう。
繰り返し流すテレビ。忖度と、コンプライアンス内で面白いものなら何でもという姿勢が垣間見えたのかもしれません。
悲鳴に近い号泣の後ろで響く励ましの「ウータ」コール。
フランスは日本の半分の人口なのに、柔道人口が4倍もいる柔道大国で、本場の国のトップ選手は、憧れの存在なのだそうです。
メディアに取り上げられる有名人の顔は、本来一つきりではありません。
華々しく絶頂の時も、負けて無様な時も、事実無根のうわさをたてられた時も。いくつもの顔がある。
平坦で一面的な思い込みで誰かのことを捉えると、負けたアスリートやチームに目を背ける人になりそうで、気を付けなければと思ったのでした。